病院見学を行う際には、事前に相手先へ見学依頼の連絡が必要です。しかし、これまでかしこまったメールを送った経験が乏しい方は、どんなメールを送ればよいのか悩んでしまうでしょう。本記事では、病院見学の依頼メールの書き方やマナーを解説します。参考となるメールテンプレートも紹介するので、ぜひご覧ください。
病院見学メールのマナー
病院で見学や実習を行うためには、事前に訪問先へ連絡する必要があります。最近ではその際の連絡手段としてメールを利用することが増えており、そのときに大事になるのが、相手先に失礼や迷惑がないように、しっかりとマナーを守ることです。
そこで以下では、病院見学の問い合わせや申し込みをする際の基本的なマナーやメールの書き方を紹介します。
病院見学の問い合わせ・申し込み時のマナー
病院見学の問い合わせをする際に最初に行うべきことは、見学先の病院のホームページを確認することです。病院のホームページには、見学を受け付けている診療科や見学日程、連絡先などが記載されていることがあります。
こうした情報が明記されているのにそれを無視したメールを送ってしまうと、「ちゃんと下調べしてないんだな」と病院側に思われてしまう可能性がありますので、事前に確認しておきましょう。
見学の申し込みは、直前になりすぎないように早めに行う必要があります。基本的には、見学希望日の1~2ヶ月前くらいまでに連絡を入れます。申し込みをする際に相手へ伝えるべき情報としては、基本的に以下の項目が挙げられます。
- 自分の氏名、大学名、住所、電話番号、メールアカウント
- 見学希望日時
- 希望の診療科
病院側にも都合があるので、見学希望日は候補を複数挙げたり、ある程度の幅を持たせたりした方がいいでしょう。また、見学当日に必要となる持ち物や服装についてもこのとき質問しておくことで、何度も連絡をやり取りする手間を省けます。
【申込時】病院見学メールのテンプレート
では、上記で紹介した必要な要素を入れつつ、病院見学を申し込むための例文を見てみましょう。
【見学依頼メールのテンプレート】
件名:病院見学のご依頼
本文
医療法人〇〇会
〇〇病院
人事部 〇〇 △△様
初めてご連絡を差し上げます。
〇〇大学〇学部〇年の〇〇 △△と申します。
貴院のホームページを拝見し、充実した研修制度や教育方針に大変感銘を受けました。
つきましては、ぜひ一度病院見学をお願いしたく、ご連絡した次第です。
こちらの都合で誠に恐れ入りますが、以下のいずれかの日程で〇〇科のご見学をお願いしたく存じます。
・〇月〇日~〇月〇日
・〇月〇日
・〇月〇日
貴院のご都合はいかがでしょうか。
また、幸いにして見学を認めていただけました場合、当日の服装や持参物について教えていただけますと幸いです。
ご多忙の折に大変恐縮ですが、ご返信のほどお待ち申し上げます。
何卒よろしくお願いいたします。
氏名:
住所:
電話番号:
E-mailアドレス:
ここで大切なのは、できるだけ相手への敬意や配慮を感じさせる丁寧な言葉で書くことです。見学先の病院名や個人名はもちろん、自分の氏名や大学名などに関しても省略せずにフルネームで書くようにしましょう。
相手側の名前に間違いや誤字などがあると失礼になるので、その点も十分に注意が必要です。担当者の名前が分からない場合は、「人事部 御中」といった形で問題ありません。
病院側から返信のメールが届いたら、なるべく当日中に返信のお礼と確認のメールを送り返すようにしましょう。
返信がない場合は電話で問い合わせる
見学希望日が近づいても返信が来ない場合は、確認の連絡を入れる必要があります。この際はメールよりも電話で問い合わせた方がよいでしょう。ただし、万一こちら側のミスでメールを送信できていなかった場合に備え、送信履歴を見て、正しい宛先に送っているのかを改めて確認します。
電話をする際には、病院の繁忙時間を避けましょう。一般的には、10~11時もしくは14~16時頃を狙うのがおすすめです。通話に支障がないように、静かな場所から電話をかけ、メモの用意もしておきましょう。
電話口で話す内容も基本的にはメールのときと同じです。まずは丁寧に挨拶して自分の氏名や所属を伝えた後に、先日メールを送信したけれど返信がない旨を伝えましょう。
ただし、この際には相手を責めるような言葉遣いをしないように配慮をします。たとえば、「〇月〇日に病院見学をお願いするメールをお送りしましたが、届いていますでしょうか」といったように問いかけるのがおすすめです。
もしもメールが届いていなかった場合は、電話口で改めてメールのときと同じ要領で見学の希望を伝えます。ただし、当初の希望日までの時間的余裕がない場合は、代替日もあらかじめ考えておいた方がいいかもしれません。電話を切る際にはしっかりと相手に対応のお礼を伝えましょう。
病院見学後のお礼時のマナー
病院見学後には、お世話になった方々へお礼を伝えることが必要です。見学現場の先生や看護師さんには口頭でお礼をすればいいですが、見学をセッティングしてくださった担当者の方には直接お礼を言う機会がないかもしれません。
その場合は、帰宅後なるべく早めに丁寧なお礼状メールを送りましょう。理想は当日中、遅くとも翌日までにメールを送ることが大切です。
【お礼時】病院見学メールのテンプレート
では、お礼状メールはどのように書けばいいでしょうか。以下がそのテンプレートになります。
【お礼状メールの例文】
件名:病院見学のお礼
本文
医療法人〇〇会
〇〇病院
人事部 〇〇 △△様
お世話になります。
本日病院見学をさせていただいた〇〇大学〇学部〇年の〇〇 △△と申します。
本日はご多忙なところ、病院見学をさせていただき誠にありがとうございました。
貴院を見学し、実際に皆様が懸命に働いている姿を拝見したことで、私も将来の医療従事者として身が引き締まる思いをいたしました。
また見学の機会がございましたら、ぜひお勉強させていただけますと幸いです。
繰り返しになりますが、この度は誠にありがとうございました。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
氏名:
住所:
電話番号:
E-mailアドレス:
上記のように、病院見学によって貴重な経験ができたことを申し添えると、病院側としても忙しい時間を割いた甲斐を感じやすくなるでしょう。感謝の気持ちが相手に伝わるように、誠意をこめて丁寧に書くことが、なによりも大切です。
病院見学メールを送る際の注意点
続いては、見学先の病院にメールを送る際に守るべき注意点を解説します。
簡潔に件名を入れる
メールを送る際は、どのような用件なのか一目で分かるように必ず件名を入れましょう。件名は「病院見学のお願い」のような簡潔なもので構いません。あるいは、「病院見学のお願い(〇〇大学〇〇△△)」のように、自分の所属先と氏名を付け足す形でも分かりやすいでしょう。
いずれにしても、件名が空白であったり、「お願いします」「ありがとうございます」などの分かりにくい記載であったりするのはNGです。場合によっては迷惑メールに振り分けられてしまい、本来の用件が果たせなくなる可能性もあります。
差出人名義を設定する
メール設定を行い、差出人名義がフルネームで表示されるようにするのも大切です。この設定をしていないと、相手側からはメールアドレスがそのまま差出人名として表示されます。誰から送られてきたメールなのか一見して分からないと、相手にとってストレスです。
適切なメールアドレスを設定する
社会人相手に送るのにふさわしいメールアドレスを使用するのもポイントです。メールアドレスにアニメやゲームなどに関連した言葉を使ったり、何か冗談のような言葉を使ったりしていることもあるかもしれません。
社会人相手にフォーマルなメールを送る際にそのようなアドレスは不適切です。
もしも適切なアドレスがない場合は、これを機に作成するようにしましょう。大学から発行されたメールアドレスを使用するのもひとつの手ですが、卒業後には使えなくなる可能性も念頭に入れる必要があります。
挨拶と用件をハッキリと伝える
メールには、挨拶と自分の氏名や所属、用件を明記しましょう。初めてメールを送る際の定型句として、「初めてメールを差し上げます。」「突然のご連絡失礼いたします。」などが挙げられます。また、「お世話になります。」はいつでも無難に使いやすい便利な挨拶です。
メール末尾の締めの言葉としては、「何卒よろしくお願いいたします。」が定型句です。状況に応じて、「ご返信のほど」「今後とも」などの言葉を頭に付け加えるだけでバリエーションが生まれます。また、自分の氏名や所属は二回目以降のメール(返信メール)でもしっかり名乗るようにしましょう。
お礼のメールは見学日当日に送る
お礼のメールはなるべく見学日当日に送信しましょう。すぐにお礼のメールをしないことは、貴重な時間を割いて見学をしてくれた病院に対して失礼に当たります。帰りが遅かったり疲れてしまっていたりした場合でも、翌日までには必ず送ってください。
お礼を述べる際には感想も付け加えると、より感謝の気持ちが伝わりやすくなります。
MediE医師講師 凛子 先生のワンポイントアドバイス
病院見学をする際は、「民間医局レジナビ」というWebサイトの活用がおすすめです。レジナビにはマッチングサイトなどが掲載されており、病院見学の申し込みも可能です。見学会や説明会などのイベント検索もできるので、医学生の情報収集のためにとても役立ちます。
【参照元】民間医局レジナビ|おすすめレジナビの活用
まとめ
病院見学メールを送る際には、こちらの用件や誠意が正しく伝わるように、丁寧にメールを書く必要があります。失礼な表現や誤字などがないように、送信する前には念入りに何度も確認することがおすすめです。
MediEでは、現役の医師講師が国試の勉強方法などについて、医学生一人ひとりに親身にサポートしています。病院見学の仕方も含め、もし一人で悩んでいることがあればぜひお気軽にご相談ください。