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USMLEのStep1に合格するための勉強法! 難易度やおすすめ教材

目次

将来のキャリアを考えて、米国の先進的な医療を学びたい医学生におすすめの試験がUSMLEです。ここではUSMLEの最初のステップであるUSMLE Step1の概要や、合格に向けたおすすめの教材・アプリについて解説します。受験の流れも分かりますので、チャレンジしたい方は参考にしてください。

USMLEとは?

USMLE(United States Medical Licensing Examination)とは、アメリカの医師ライセンスを取得できる国家試験のことです。

試験はStep3までの4つのパートに分かれています。出題範囲は次の通りです。

  • Step1:基礎医学と臨床医学の知識
  • Step2:CKが臨床診療技能と治療
  • OET:医療従事者向けの英語試験
  • Step3:臨床医学全般と疫学・医療系統

Step1とStep2 CK、OETに合格すると、「ECFMG certificate」の資格を取得でき、アメリカでの医療行為が認められます。ECFMGとは、アメリカやカナダ以外の医学校で教育を受けた医師に、臨床研修資格を認めるアメリカの団体です。

Step1、Step2 CK、OETまでは国内で受験できます。これらに合格すればStep3の受験資格が与えられますが、Step3の受験には渡米の必要があります。

なお、これまでUSMLEは日本の医学生・卒業生であれば受験できましたが、2023年からはWFME(世界医学教育連盟)かJACME(日本医学教育評価機構)が認証した大学医学部の在学生・卒業生だけに限定されます。

アメリカへの医療留学を検討する際には、大学が認証を得ているか注意が必要です。

USMLE Step1の試験概要と難易度

USMLE Step1はECFMGを取得するための最初の試験です。出題は臨床医学を意識した基礎医学の範囲のため、医学部の在学中でも合格を目指せます。

Step1はコンピュータ上の試験であり、日本におけるCBTに当たります。試験は多肢選択式問題で、解剖学や生化学、生理学、病理学、薬理学、微生物学と免疫学、行動科学と7ブロックに分かれています。1ブロックごとに解答時間は1時間で44問が出題され、試験時間の合計は7時間に及びます。

試験開始から終了まで合計45分の休憩は取れますが、1問につき1分ほどで解答する必要があり、問題文も長いので、英語の速読力や集中力が問われます。

なお、2022年以降は試験結果が合否のみとなり、スコアの発表が廃止されたため、得点の高低が進路に影響することはありません。USMLE Step1は世界中の医師・医学生が受験可能で、日本人を含めた外国人の合格率は8ほどです。

日本の医学部低学年で履修する科目と学ぶ範囲が近いため、医学生の間に合格できるとよいでしょう。また、近年では日本の医師国家資格でもUSMELEと同じ形式の問題が出されているため、勉強しておけば国試対策にもなります。

【参照元】United States Medical Licensing Examination|Performance Data

USMLE Step1の勉強法

では、気になるUSMLE Step1の勉強法について解説します。

問題集を解く

国内試験と同じく、問題集を解いて試験問題に慣れることが大切です。まずは難易度が高くないオンライン問題集「USMLE-Rx」で問題に慣れ、試験本番のレベルに近い「UWorld」で問題解答力を上げていきます。

分からない箇所については毎年最新版が出版される「First Aid for the USMLE Step1」をよく読んで理解し、覚えましょう。それぞれの問題集について、詳しくは後述します。

CBT合格レベルの医学知識があれば、USMLE問題集で知識をつけていくことはできます。最初は慣れない英語で苦戦するかもしれませんが、少しずつでも解答できる問題を増やしていくことが大切です。とにかく問題の数をこなして前に進んでいきましょう。

模試NBMEを解く

USMLE Step1の問題に慣れたら、試験本番に備え、模擬試験NBMEを受けておきましょう。

試験本番の問題を解くスピードや要領などを体感できます。本番前はもちろん、何度も受けて試験のペースを身に付けましょう。限られた時間内で焦らず正確に問題を解くには、集中力だけでなく経験も大切です。

NBMEの予想得点は精度が高いため、本番に向けて自身の実力を測るためにも活用できます。

USMLE Step1合格に向けたおすすめの教材・アプリ

USMLE Step1合格を目指すなら、教材・アプリをどんどん活用しましょう。おすすめの教材・アプリをピックアップしました。

First Aid for the USMLE Step1

「First Aid for the USMLE Step1」は、USMLE Step1対策には欠かせない教科書的存在です。毎年コンテンツがアップデートされており、出題確率が高い問題を網羅しています。USMLE Step1を受験する年に合わせ、最新版を使用しましょう。

勉強法としては、問題集を解いて学んだことをメモして知識を定着させるとよいでしょう。ポイントとなる図を参考に暗記する方法もあります。

【参照元】南江堂|First Aid for the USMLE Step1

BRS Behavioral Science

「BRS Behavioral Science」はUSMLE Step1のブロックのひとつである行動科学の参考書です。日本の医学部課程では行動科学を系統的に学習しないので、苦手意識を持つ医学生は少なくありません。

行動科学は精神科や公衆衛生、医療倫理などを包括した学問です。本番の試験でも失敗する人が多いブロックなので、この参考書でしっかり勉強しておく必要があります。

【参照元】南江堂|BRS Behavioral Science

USMLE-Rx

「USMLE-Rx」は「First Aid」の会社が提供する、少し易しいオンライン問題集です。解説の多くがFirst Aidに対応しており、内容を参照するページが記載されています。併せて活用しましょう。

【参照元】USMLE-Rx|USMLE Study Tools & Online Test Prep

UWorld

「UWorld」も同じくオンラインの問題集で、パソコンだけでなくスマートフォンでもアクセスできます。USMLE-Rxより難易度が高く、英文のボリュームやフォーマットなど本番に近い内容に取り組めます。

ある程度問題を解ける実力がついてきたら、UWorldでの反復演習を始めるとよいでしょう。解説も充実しているため、よく読んで活用してください。

【参照元】UWorld|Test Prep for NCLEX, SAT, ACT, MCAT, USMLE & More!

Anki

「Anki」は丸暗記するのに役立つアプリで、USMLE Step1受験生のスキマ時間を活かせます。First Aidの内容を暗記するのに活用でき、忘れかけたタイミングで復習することが可能です。

【参照元】Anki|powerful, intelligent flashcards

USMLE Step1受験の流れ

USMLE Step1を受験するには、まずECFMGでアカウントを作成し、受験の申し込みをします。ID申請からアカウント取得までには1週間ほどかかります。

次に本人証明のために専用サイトでビデオ通話先の公証人を前にオンライン公証を行います。やり取りは決まった英語だけで、特に難しい審査は行われません。

なお、本人確認のためにパスポートが必要です。また、この手続きが認められるまでに、さらに2週間ほど時間がかかります。

それからUSMLE Step1試験の申し込みを行い、受験料を支払います。この段階で受験生が現在または過去に在学していたことを、大学とECMFGがやり取りをして認証します。

また、卒業生は卒業証書と、結婚などで氏名が変わった場合には戸籍謄本を提出する必要があります。申請が受理されたら、ECFMGから送られたナンバーを使用し、試験の運営機関で受験日と会場を決定します。

申請開始から受験日時が決定するまで、早くとも1か月程度はかかるため、余裕を持って準備しましょう。

まとめ

米国医師国家試験のUSMLEは、 Step1とStep2 CK、OETに合格するとアメリカでの医療行為が認められ、「ECFMG certificate」を取得できます。Step1は医学部在学中に受験すると有利です。合格に向けて、教材やアプリを使用して勉強し、問題集や模試をこなして試験に慣れていきましょう。

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