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Post-CC OSCE 練習用シート 60歳男性

目次

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課題シート

【課題シート 1】
あなたは初期研修医です。外来にやってきた以下の患者さんを診察してください。
〇〇△△さん  60 歳 男性
主訴:頭痛

【課題シート 2】
身体所見は以下の通りです。追加の診察を行なってください。
意識は清明。身長 174cm、体重 70kg。体温 36.8℃。脈拍 70/分、整。血圧 166/88mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 96%。

【課題シート 3】
指導医にこの患者について報告してください。

 

患者役用シート

O(onset 発症様式):昨夜、突然の後頭部痛が生じた。市販の鎮痛薬を服用したが本日も痛みが続くので来院。
患者役の方は発症様式を詳しく聞かれた場合のみ「夕食どきに野球中継を見ていて、贔屓チームが逆転された時」「お風呂に入っている時」「ソファで食後のタバコを吸っていた時」などと付け加えてください。
P(palliative/provocative 増悪・寛解因子):特になし
Q(quality/quantity 症状の性質・ひどさ): ずきずきする。今までに感じたことがない頭痛。
R(region/radiation 場所・放散の有無):後頭部
S(severity/associated symptom 程度・随伴症状):痛みは我慢できるがかなり痛い。嘔気・嘔吐があった。
T(time course 時間経過):昨夜から
P(past medical history 既往歴):高血圧(38歳〜;未治療)
A(allergies アレルギー):とくになし
M(medication 服薬歴):とくになし
H(hospitalization 入院歴・手術歴):入院・手術はしたことがない。輸血歴なし
U(urinary 排尿):変化なし
G(gastrointestinal 消化器症状・排便・食欲・体重変化):便秘、下痢、血便なし。食欲は変わらない。体重変化なし
S(sleep 睡眠):変わりはない
F(family 家族歴):両親も3人の息子も全員高血圧
O(OB/GYN 妊娠歴・月経歴):―
S(social history 喫煙歴・飲酒歴・職業・趣味・渡航歴・ストレスなど):
飲酒:飲まない
喫煙:1箱/日(1箱=20本)
職業:建設会社の内勤
S(sexual history 性的活動):―
解釈モデル:一晩たてば治るかと思ったけどまだ痛いから怖い。同級生も何人か亡くなっているから悪い病気じゃないかと不安。
現 症:眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。
項部硬直なし。心音・呼吸音は異常なし。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿浮腫を認めない。
その他身体診察で得られる所見はない。

想定疾患:くも膜下出血

鑑別疾患:
見逃してはならない疾患:脳出血、髄膜炎・脳炎、急性緑内障発作、側頭動脈炎など
common:緊張型頭痛、偏頭痛、群発頭痛、高血圧症など

検査:頭部CT

 

ポイント

まずは何よりも性別・年齢・主訴。この方は中高年男性で頭痛。

そして既往に高血圧症というところに着目でしょう。くも膜下出血と聞くとそのまま死亡したり、意識が混濁している患者を想起してしまうかもしれません。しかし、単なる頭痛を主訴にして歩いて外来へくる方も多くいらっしゃいます。このことを念頭におきましょう。
「頭痛の出現は何時何分ごろ」「何をしていた時か」ということが答えられるのがくも膜下出血の特徴と言えるでしょう。

頭痛で大事になってくるのは何よりも神経診察

鑑別に挙がっている脳出血を除外する場合は
表情の左右差、上肢の筋力の左右差、構音障害の有無、共同偏視を必ず確認しましょう。特に共同偏視は出血部位を推定するのに有用です。

急性緑内障発作の検査としては毛様出血を確認する必要があるため、眼の診察を行いましょう。

これらを診断・除外するためのOPPQRSTをきちんと聴取していきましょう。