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医学部の「本当の難しさ」を知っていますか?ストレートで医師になる確率が高い大学ランキング2026年版

本記事の監修者

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水木 泰祐 (Dr.みずき)

東邦大学医学部卒。浪人・留年・国試浪人を経て、医学教育の革新に挑む。
「4浪4留2国浪」という異色の経歴を持ち、医学部入学から医師国家試験合格までに数多くの困難を経験。その過程で得た知見と反省を活かし、同じように悩む医学生を支援するため、医師国家試験個別指導塾「MediE(メディエ)」を設立。「教えない、導く。」をモットーに、コーチング・メンタリング・コンサルティングを融合させた独自の指導法を展開している。
MediEでは、個別最適化された学習支援を通じて、留年・放校・国試不合格のリスクを抱える医学生の自学自習力を育成。また、YouTubeチャンネルやSNSを活用し、医学教育の在り方そのものに変革をもたらす活動も積極的に行っている。

目次

「医学部に入りさえすれば、もう安心だ」

多くの人がそう思っていますよね。だって、医師国家試験の合格率は毎年90%を超えていますから。確かに、この数字だけを見れば、まるでゴールテープが見えているかのように感じられるかもしれません。しかし、私はあえて言います。その安心感、ちょっと待ってください。

医学部の本当の難しさは、入学試験の先、つまり「進級」と「卒業」の壁にあるのです。今回の記事では、データに基づき、「どの大学なら6年間でストレートに医師になれるのか」という、リアルな現実を、ランキング形式でお届けします。

「国試合格率90%」の裏側にある、厳しい現実

なぜ、医学部に入った後の話をする必要があるのでしょうか?それは、冒頭で触れた「国試合格率90%」という数字のトリックを知ってほしいからです。

この数字は、実は「6年間の進級卒業試験をすべて突破した学生」だけを母数にして算出されています。裏を返せば、途中で留年したり、卒業試験で足止めを食らった学生は、この華々しい数字には含まれていないということ。残酷ですが、これが現実です。

医学部の「進級の壁」が年々高くなっている理由

昔の医学部と今の医学部では、進級の難易度が格段に違います。私の知る現役医学生たちも口を揃えて言いますが、「進級の壁」はかつてないほど高くなっているようですね。

その背景には、主に3つの要因が絡み合っています。

  1. 膨大な情報量と科目数
    医学部では、1年生のうちから専門科目が始まります。しかも、多くの大学で「1科目でも不合格なら即留年」という厳しいルールが適用されています。覚える情報が多すぎて、まるで洪水に飲み込まれるような感覚だと言います。
  2. CBT・OSCEの基準引き上げ
    共用試験であるCBT(知識試験)やOSCE(実技試験)の合格基準が年々厳しくなっています。以前のように過去問中心の直前対策だけでは、もう通用しません。大学側も、学生に確かな実力を求めるようになっているのですね。
  3. 大学ごとの「情報戦」
    これが一番厄介かもしれません。大学によって、試験の難易度、評価基準、「どの学年で留年が出やすいか」といった情報が全く違います。正確な情報を持っているかどうかが、進級率を大きく左右する「情報格差」が生まれているのです。

つまり、「真面目に勉強しているだけ」では突破できない。それが、今の医学部のリアルな姿なのです。

私立医学部では4人に1人がストレート卒業できない?

では、具体的な数字を見てみましょう。各種公開データをもとに、ストレートで6年間を走り抜ける学生の割合を整理してみました。

  • 国公立医学部:ストレート卒業率 約84〜87%
  • 私立医学部:ストレート卒業率 約77%前後

特に私立医学部では、約4人に1人が留年や進級失敗を経験している計算になります。この数字、正直、驚きませんか?受験生の皆さんが目指す場所は、入学がゴールではなく、むしろそこからが本当のサバイバルだと知っておくべきでしょう。

データが語る!6年で医師になれる確率が高い大学ランキングTOP10(2026年版)

さて、いよいよ本題です。私たちは、単なる「卒業率」だけでなく、以下の3つの要素を掛け合わせて、真にストレートで医師になれる可能性が高い大学を算出しました。

  1. 進級率(6年次進級率)
  2. 卒業率(ストレート卒業率)
  3. 国試合格率(新卒者)

この3つを掛け合わせた数字こそが、「入学から6年で医師免許を取得できる確率」です。この確率が高い大学こそが、最も安心して学べる環境を提供していると言えるでしょう。最新のデータに基づいたランキングを見ていきましょう。

順位大学名進級率卒業率国試合格率6年で医師になれる確率
1金沢大学(国公立)99.1%97.4%100%97.40%
2自治医科大学(私立)97.6%97.6%99.3%96.92%
3鹿児島大学(国公立)100%97.0%96.3%93.41%
4三重大学(国公立)94.4%92.8%100%92.80%
5大阪公立大学(国公立)93.6%93.6%99.0%92.66%
6順天堂大学(私立)96.5%93.6%97.8%91.54%
7横浜市立大学(国公立)92.2%92.2%98.8%91.09%
8東京大学(国公立)95.5%93.6%97.2%90.98%
9名古屋市立大学(国公立)95.8%95.8%94.9%90.91%
10千葉大学(国公立)92.6%92.6%97.6%90.38%

ランキングから見えてくる意外な事実

このランキングを見て、皆さんはどう感じましたか?

まず注目すべきは、金沢大学の97.40%という驚異的な数字です。ストレート卒業率が97.4%でありながら、国試合格率が100%という完璧な実績。これは、大学が学生を徹底的にサポートし、確実に医師として送り出している証拠でしょう。

そして、私立大学で唯一TOP10に食い込んでいるのが、自治医科大学(2位)と順天堂大学(6位)です。特に自治医科大学は、地域医療への貢献という使命感からか、学生へのサポート体制が非常に手厚いことで知られています。順天堂大学も、私立の中でもトップクラスの進級卒業実績を誇っていますね。

さらに、東京大学が8位にランクインしていますが、進級率卒業率ともに90%台をキープしています。東大医学部は「進級が厳しい」という噂もありますが、データを見る限り、優秀な学生たちがしっかりと結果を出していることがわかります。

国公立医学部と私立医学部の「ストレート卒業率」を比較する

もう少し視野を広げて、国公立と私立の全体的な傾向を見てみましょう。参考データから、いくつかの大学のストレート卒業率をピックアップします。

国公立大学のストレート卒業率(一部抜粋)

国公立大学は、全体的に高い卒業率を維持しています。

  1. 岡山大学:99.1%
  2. 金沢大学:97.4%
  3. 神戸大学:97.4%
  4. 三重大学:96.8%
  5. 京都大学:94.5%

ストレート卒業率が90%を切る大学も一部ありますが、多くが80%台後半から90%台をキープしています。国公立は、学費が安いだけでなく、教育の質と進級サポートのバランスが良い傾向にあると言えるでしょう。

私立大学のストレート卒業率

私立大学は、大学間のばらつきが大きいのが特徴です。平均値は77%前後ですが、中には80%を大きく超える大学もあれば、70%を切る大学もあります。

例えば、自治医科大学や順天堂大学のように90%台を誇る大学がある一方で、データ上では卒業率が低い大学も存在します。これは、私立大学が独自の教育方針や進級基準を持っているためです。受験生や保護者の方は、志望校の「ストレート卒業率」を必ずチェックすべきです。

入学試験の難易度と、進級の難易度は必ずしも一致しません。偏差値が高いからといって、進級が楽なわけではないのです。むしろ、進級判定が厳しい大学ほど、卒業後の医師としての質が高い、という見方もできます。

留年を避けてストレートで医師になるための3つの戦略

では、志望校選びの参考にするだけでなく、実際に医学部に入学した後、どうすれば留年という事態を避け、6年間で医師になれるのでしょうか?

私の経験と、多くの医学生から聞いた話をもとに、重要な3つの戦略をお伝えします。

1. 「情報戦」を制する:過去問と再試情報を徹底収集

医学部の進級は、勉強量だけでなく「情報」が命です。大学ごとに「試験の傾向」や「再試験の基準」が異なります。

  • 過去問の徹底分析:単に過去問を解くだけでなく、「この教授はどこを重視するか」「出題形式に変化はないか」を分析します。
  • 上級生との連携:サークルや部活を通じて、信頼できる上級生から最新の情報を得ることは必須。特に「留年が出やすい学年」や「鬼門の科目」は、事前に把握しておくべきです。

2. 計画的な学習スケジュールを立てる

医学部の勉強は、マラソンです。短期的な詰め込み学習ではすぐに限界が来ます。特に、CBTやOSCEといった共用試験が近づくと、膨大な範囲をカバーしなければなりません。

1年次から専門科目の基礎を固め、試験前に慌てないよう、綿密な学習計画を立てましょう。試験範囲を細分化し、毎日少しずつ進める習慣が、長い目で見れば最大の武器になります。

3. 早期に専門家の力を借りる

もし、特定の科目が苦手だと感じたり、進級に不安を覚え始めたら、迷わず専門家の力を借りるべきです。医学部専門の個別指導塾や予備校は、単に知識を教えるだけでなく、その大学特有の進級対策や試験対策に精通しています。

「自分一人で何とかしなきゃ」と抱え込む必要はありません。留年して余計な時間と費用をかけるより、早期に投資をしてストレート卒業を確実にする方が、賢明な選択だと思いませんか。

まとめ

医学部受験は、人生をかけた大きな挑戦です。しかし、その挑戦は入学で終わりではありません。むしろ、6年間で医師になるためのサバイバルが始まるのです。

今回のランキングで、皆さんが志望校を選ぶ際に、単なる偏差値や立地だけでなく、「6年で医師になれる確率」という、もう一つの重要な視点を持つきっかけになれば幸いです。

最後に、今回の記事の重要なポイントをまとめておきましょう。

  • 医師国家試験の合格率は、進級を突破した学生だけの数字である。
  • 私立医学部では、約4人に1人がストレート卒業できていない現実がある。
  • 「6年で医師になれる確率」は、進級率、卒業率、国試合格率の全てを考慮すべき。
  • 金沢大学、自治医科大学、鹿児島大学などが、高い確率を誇っている。
  • 入学後は「情報戦」を制し、計画的な学習と早期のサポート利用がストレート卒業の鍵となる。

皆さんが無事に6年間を走り抜き、夢を叶えることを心から応援しています。

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