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【医学生向けニュース解説】2026年から「開業の自由」が変わった?医師偏在対策と開業規制の最新動向を解説

本記事の監修者

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水木 泰祐 (Dr.みずき)

東邦大学医学部卒。浪人・留年・国試浪人を経て、医学教育の革新に挑む。
「4浪4留2国浪」という異色の経歴を持ち、医学部入学から医師国家試験合格までに数多くの困難を経験。その過程で得た知見と反省を活かし、同じように悩む医学生を支援するため、医師国家試験個別指導塾「MediE(メディエ)」を設立。「教えない、導く。」をモットーに、コーチング・メンタリング・コンサルティングを融合させた独自の指導法を展開している。
MediEでは、個別最適化された学習支援を通じて、留年・放校・国試不合格のリスクを抱える医学生の自学自習力を育成。また、YouTubeチャンネルやSNSを活用し、医学教育の在り方そのものに変革をもたらす活動も積極的に行っている。

目次

こんにちは!医師国家試験予備校の MediE(メディエ) です。

「将来どこで働くか」「開業するなら都市がいいか地方がいいか」——医学部に入った頃からうっすら考え始める人も多いテーマだと思います。

そのキャリアの選択肢に、今まさに大きな制度的変化が起きています。2026年4月から施行された「医師偏在対策」と「開業規制の導入」です。医学生のうちに知っておかないと、将来の選択肢を思わぬ形で狭めてしまう可能性があります。今回はこの制度をわかりやすく解説します。

医師偏在問題とは?なぜ今、対策が急がれているのか

日本全体の医師数は増加傾向にあります。しかし、都市部と地方の格差は依然として深刻です。

厚生労働省の医師偏在指標によると、最も医師数が多い東京都(指標353.9)と最も少ない岩手県(182.5)では、約1.9倍もの格差があります。都市部には医師が集中し、地方では「保険証を持っていても、近くに医者がいない」という状況が生まれつつあるのです。

これまでの偏在対策は、医学部の地域枠制度など若い医師の養成段階を対象にしたものが中心でした。しかし、中堅・ベテランの医師が都市で開業し続けることへのアプローチが不足していると長年指摘されてきました。そこで2026年、初めて「開業の場所」に踏み込んだ規制的手法が導入されました。

2026年から何が変わった?制度の中身を整理

「外来医師過多区域」での開業に規制が入った

2026年4月から、外来医師が集中している地域(外来医師過多区域)での新規開業に対して、事実上の規制が始まりました。東京23区・大阪市・京都市・神戸市・福岡市などの9圏域が対象候補となっており、2026年10月以降に新規開業するクリニックが対象です。

具体的には、これまで原則として自由だった開業に、次のような手続きが加わりました。

事前届出の義務化
外来医師過多区域で開業を希望する場合、開設の6か月前までに都道府県に届け出ることが義務付けられます。

地域医療機能の要請
届出を受けた都道府県知事は、開業予定の医師に対し、夜間救急の初期対応など、その地域で不足している医療機能を担うよう要請できます。

要請に従わない場合のペナルティ
正当な理由なく要請に応じない場合、医療機関名の公表や、通常6年の保険医療機関の指定期間が2〜3年に短縮されるペナルティが科されます。

地方への医師派遣支援も強化

規制だけでなく、医師が少ない地域への支援も同時に進んでいます。「重点医師偏在対策支援区域」が設定され、その区域に医師を派遣する病院への支援や代替医師の確保支援が本格スタートしました。2028年度には、医師少数区域で勤務する医師への特別手当の仕組みも導入される予定です。

医学部定員にも影響が出てくる

2028年度からは、医師が多い都道府県の医学部入学定員が削減される方向性も固まっています。医師多数県では臨時定員の削減が進む一方、医師少数県では定員を維持・増加させる仕組みで、偏在の是正を医師養成の段階からも促していく方針です。

将来の開業・キャリアにどう影響するか

開業を考えているなら「場所の戦略」が必要になった

これまでは「都市で開業したい」と思えば基本的に自由でした。しかし今後は、開業場所が医師偏在対策の文脈で評価される時代に入りました。都市部での開業が完全に禁止されるわけではありませんが、夜間救急対応など地域医療への貢献が求められる場面が増えます。「どこで開業したいか」ではなく、「制度・地域・キャリアを踏まえた戦略的な判断」が求められるようになったと言えます。

地域枠で入学した方は特に注意

地域枠で入学した医学生は、卒業後の一定期間を特定地域・特定診療科で勤務する義務があります。この制度と今回の偏在対策は連動して強化されており、義務の内容や期間の柔軟化も検討されています。地域枠の方は最新情報を定期的に確認することが大切です。

「医師少数区域で働く」選択肢が評価される時代に

逆に言えば、地方での勤務を選んだ医師が経済的・制度的に優遇される仕組みが整いつつあります。将来のキャリアとして、地方の基幹病院で活躍するという選択肢は、これからますます価値を持つようになるでしょう。「都市でなければ損」という時代は、静かに終わりを迎えつつあります。

まとめ:「どこで働くか」が問われる時代へ

医師偏在対策は、今後も段階的に強化される見込みです。「どこで開業するか」「どこで研修を受けるか」「どの診療科を選ぶか」という選択が、以前より大きな意味を持つ時代になりました。

医学生のうちからこうした制度の変化に目を向けておくことは、将来の自分のキャリアを守ることにもつながります。「地域医療」や「医師偏在」は国試の社会医学でも重要テーマです。制度の変化を実感を持って学ぶ、絶好のタイミングです。

MediEでは、国試対策だけでなく、将来の医師としてのキャリアを見据えたサポートも行っています。気になることがあれば気軽にご相談ください。

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