アルバイトを検討中の医大生のなかには、アルバイトと勉強の両立はできるのか、どんなアルバイトが良いのか、など気になることがたくさんあるのではないでしょうか。この記事では、医学生のアルバイト事情をはじめ、医学生のアルバイトの選び方や医学生が経験しておくと良いおすすめのアルバイトを紹介します。
半数の医学生がアルバイトをしている
全日本医学生自治会連合が全国の医学生を対象に実施し、2021年4月1日に公開したアンケート調査によると、「アルバイトをしている」と回答した医学生は48.8%でした。
ほかの学部の学生と比較すると、医学生は学業に多くの時間をとられます。そのような厳しい状況下でも、すき間時間などを活用して半数に近い医学生がアルバイトをしていることになります。
では、アルバイトをしていない医学生は、どのような理由からアルバイトをしないのでしょうか。同調査によると、アルバイトをしていない医学生の3分の1以上が、アルバイトをしていない理由について、「大学により制限されている」または「アルバイト先の状況でバイトをやめざるを得なくなった」と回答しています。2020年の調査のため、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が深く関わっていると考えられます。
【参照元】全日本医学生自治会連合|医学生の声を届ける!コロナ時代の意識と生活の実態調査最終報告書
医学生のバイト事情
医学生はほかの学部の大学生とは異なり、基本的に6年間大学に通いますが、在学中ずっとアルバイトができるわけではありません。一般的には、実習の数がまだ少ない低学年の間だけアルバイトをする医学生がほとんどです。
医学部では学年が上がるごとに学業が忙しくなり、アルバイトとの両立が難しくなります。しかも、実習の数が少ない1~2年生ですら、アルバイトを優先できるほど時間が余っているわけでもありません。
そのため、多くの医学生がアルバイトを選ぶときに、時間の調整がしやすいシフトが柔軟なアルバイトや短時間で稼げる高時給なアルバイトを選びます。また、その優れた知識をいかせるアルバイトも人気があります。
医学生向けおすすめバイト選びのポイント
前述したように医学生は学業が忙しいことから、多くの時間をアルバイトに費やせません。しかし、学生生活では、生活費以外にも交際費や勉強で必要な教材費、部費など、なにかとお金がかかるものです。
そのため、「お金が稼げればなんでもいい」とやみくもにアルバイトを探すのは賢明ではありません。自分の生活リズムに合わせられ、学業とも両立でき、効率よく働けるアルバイトを探すべきです。
そこでここでは、医学生がアルバイトを選ぶときに押さえておくべきポイントを紹介します。
シフトの融通がきく
医学生がアルバイトを選ぶ際には、シフトの融通がきくアルバイトを選ぶことが大切です。特に医学生は進級するための単位取得要件がほかの学部の学生よりも厳しく設定されています。
しかも試験内容は専門的で難しいものが多く、単位を落としてしまうと進級できなくなるものもあるので、できるだけ勉強時間を多く作る必要があります。また、実習が増えると移動時間や実習後のレポート提出などで時間もさらに多く費やします。
このように学年や時期によっても勉強時間は大きく異なるため、無理なくアルバイトを続けるためには、試験前に休めるなどシフトの融通がきくアルバイト先を見つけることです。例えば、「週1日、2時間からOK」「当日欠勤可能」「シフト自由」「シフト1週間ごと」といった条件を掲げているアルバイトを探すとよいでしょう。
時給が高い
何度も言いますが、多忙な医学生はアルバイトにあまり時間を割けません。そのため、効率よく働くこと、つまり短時間でしっかり稼げる時給の高いアルバイトを見つけることもひとつの手段です。
例えば、一般的なアルバイトよりも時給が高いと言われる、塾や家庭教師、シフトに縛られない短期・単発のアルバイト、深夜帯のアルバイトなどです。
ただし、アルバイト先が自宅や大学から遠すぎると移動に時間がかかり、どんなに時給が高くても効率的でありません。できるだけ自宅や大学からアクセスが良いアルバイト先を見つけるとよいでしょう。
知識を使う
医学部に合格し、入学後も多くの勉強をこなす医学生が身につけた知識は、アルバイトをする上で大きな武器になります。学生向けの求人を見ても、「医学部生限定」など医学生に絞ったアルバイトもあります。
これらのアルバイトは培ってきた知識をいかせるだけでなく、医学生ならではの専門的な知識を使え、しかも時給が高いことが多いので医学生にうってつけのアルバイトといえます。
医学生が経験しておくと良いバイト先とは?
アルバイトはお金を得るだけでなく、さまざまな社会経験を積む機会でもあります。ここでは前述した「融通がきく」「時給が高い」「知識を使う」というポイントを考慮しつつ、医学生が経験しておくと良いおすすめのアルバイトを紹介します。
家庭教師・塾講師
初めてのアルバイトでも取り組みやすいのが、家庭教師や塾講師の仕事です。家庭教師の場合は個人で契約することもできますが、万一トラブルが発生した場合などを考えると企業と契約した方が安心です。
医学生ということで採用されやすいだけでなく、高時給で働けるため、短時間でも効率よく収入を得られます。特に医学部受験を専門とする家庭教師や塾講師のアルバイトならさらに高い時給が見込めます。
家庭教師や塾講師のアルバイトは、自分自身が受験で培った知識をいかせるだけでなく、他人に分かりやすく教える技術も身につくというメリットがあります。医師になると後輩に指導するときや患者や家族に説明するときなど、相手に分かりやすく説明する機会が増えるため、アルバイトの経験が役に立ちます。
また、家庭教師・塾講師のアルバイトは、授業が終わる夕方から夜にかけてと比較的スケジュールが空けやすい時間帯が多いため、生徒の家や塾が自分の学校や家から近ければさらに効率よく稼げます。最近ではオンライン家庭教師もあるので、移動時間が必要なく、自由なタイミングで働きたい方におすすめです。
ただし、家庭教師や塾講師は、受験シーズンは忙しくなるというデメリットがあります。特に個人契約の場合、代理の先生を準備しにくく、自分のテスト期間中も長期休みをもらいにくいです。
さらにどのように授業を進めていくのかなど、授業のカリキュラムを考えたり、授業をするための準備が必要だったりと授業以外の時間が必要になることも。ほかにも生徒や親との関係性を構築するのに苦労する可能性があります。
採点バイト
採点バイトの仕事は、自宅でできるものと会場に集まり一斉に行うものとがあります。自宅でできる採点バイトは出来高制であることが一般的で、慣れるまでは採点に時間がかかりますが、慣れると数をこなせるようになるのでその結果収入が増えます。
自宅での採点バイトは自分で自由にスケジュールを立て、自分のペースで進められるのですき間時間に作業ができ、移動の時間もとられません。
一方の会場で働く採点バイトは時給制が一般的です。特に高時給というわけではありませんが、知識をいかせるという点で医学生におすすめです。時給制の場合は、定められた日の定められた時間に会場にいなければなりませんが、単発で実施されるものが多いことから、忙しい医学生との相性はよいです。
治験バイト
治験バイトとは、新しい薬などの効果および副作用を確かめることを目的に行われるものです。参加することで治験協力費として謝礼がもらえます。治験バイトは基本的に単発のアルバイトであることからスケジュール調整がしやすく、医療現場に関わり、新たな薬や治療開発の手助けになる点で医学生におすすめです。
宿泊を伴う治験バイトもありますが、指定された場所にいれば自由に過ごせる時間も多いため、医学生は空いた時間を勉強にあてられます。
内容は薬やサプリメントを服用して1日で済むものもあれば、週に1回通院が必要になるものもあります。治験バイトは内容が実にさまざまですので、複数の募集サイトに登録し、比較して自分に合うものを選びましょう。
ただし、治験バイトは一度参加すると次の治験まで一定期間開ける必要があるため、連続して参加ができません。また、内容次第では副作用が生じることがあります。
医療スタッフ
医療スタッフのアルバイトは医学生限定が多く、時給も高めです。仕事内容は医師や看護師の補助作業ですが、場合によっては医療に関連する研究や実験のサポート作業もあります。
医療スタッフは医師を目指す医学生にとって実際の医療現場で働く経験ができ、自分の将来の仕事に役立つ内容です。しかし、学生のアルバイトだからこそ経験できる医療現場以外での社会経験の機会が減るので、学生時代にさまざまな視野を広げたいのであれば別のアルバイトで働くとよいでしょう。
イベントスタッフ
イベントスタッフの仕事は、ライブやフェス、イベントの設営や運営を補助するのが主な内容です。業種が異なる仕事のため、自分の視野を広めたり、交友関係を広げたりできます。
多くの仕事は単発のため、学業と両立がしやすいのがメリットです。また、半日~1日の仕事であればそれなりの収入が得られ、なかには「現金当日手渡し」のところもあるので金欠のときにも助かります。
一般的に派遣会社から仕事を紹介してもらうので、複数の派遣会社に登録して、自分の都合に合った仕事が見つかった際に応募するとよいでしょう。
MediE医師講師 凛子 先生の体験談
医大生時代、周りの友達はみんな塾講師をしていました。塾講師は医大受験の知識や今まで培った学力をいかせる場ですし、ほかのアルバイトよりも高時給なので、人気のようです。
医学生がアルバイトをする際の注意点・勉強との両立法
アルバイトを通して「仕事の楽しさ」や「お金を稼ぐこと」を学ぶことはとても大切ですが、医学生の本業はあくまで学業であり、優先順位を間違えてアルバイトに専念しすぎては本末転倒です。
アルバイトを探すときは、学業と両立しやすい職場を選び、働き始めてからも計画的に勉強の時間を確保することが重要です。また、アルバイトで稼ぎすぎてしまうと親の扶養から外れ、手続きが必要になるため年収103万円以下に抑えましょう。
まとめ
医学生のアルバイト事情をはじめ、医学生がアルバイトを選ぶポイントや医学生が経験しておくと良いおすすめのアルバイトを紹介しました。
医学生は学業に時間を割く必要があるため、アルバイトを選ぶ際は、ある程度高時給でなおかつシフトの融通がきく職場を選ぶのが望ましいです。また、医学生ならではの高い知識をいかしたアルバイトもおすすめです。
医学生でもアルバイト選びを間違わなければ、学業と両立は可能ですので、記事を参考にあなたに合うアルバイトを探してみてください。
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