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ハイポの極みゆるふわ女医の初期研修休職体験談 vol.1

本記事の監修者

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水木 泰祐 (Dr.みずき)

東邦大学医学部卒。浪人・留年・国試浪人を経て、医学教育の革新に挑む。
「4浪4留2国浪」という異色の経歴を持ち、医学部入学から医師国家試験合格までに数多くの困難を経験。その過程で得た知見と反省を活かし、同じように悩む医学生を支援するため、医師国家試験個別指導塾「MediE(メディエ)」を設立。「教えない、導く。」をモットーに、コーチング・メンタリング・コンサルティングを融合させた独自の指導法を展開している。
MediEでは、個別最適化された学習支援を通じて、留年・放校・国試不合格のリスクを抱える医学生の自学自習力を育成。また、YouTubeチャンネルやSNSを活用し、医学教育の在り方そのものに変革をもたらす活動も積極的に行っている。

目次

初期研修は2年やらなくてもいい⁈

コスパ厨ゆるふわ女医にとっての初期研修

初めまして。レイラと申します。これを書いている現在、医学部を卒業して1年と1ヵ月の初期研修2年目、休職してから約2ヵ月目です。
私は一言で言うと「コスパ厨」で、俗に言う「ゆるふわ女医」に分類されると思います。

なんか医学部入っちゃったけど、あまり医者の仕事がしたいわけではない。医療に対する情熱とか目標とか特にない。強いて言えばハイポ科でのんびり暮らしたいし、結婚したら仕事辞めて専業主婦になるか時短バイトのみで働きたい。副業で稼げるならあわよくばそっちを本業にしたい…

やる気ないなら帰れ?あざーす今すぐ帰ります!!! というタイプ。

同じタイプの多くの人にとって、「初期研修制度」「専門医制度」は非効率で面倒以外の何物でもありませんよね。できるならやりたくない、でもそれ以外の道があまり見えないから、みんながやってるから仕方なくレールに乗っている。

今回はそんな人たちにとっての最終手段、初期研修を最低労力で終わらせられるがあまり知られていない「休職制度」について、自身の体験談とともに書いていこうと思います。

初期研修を最速でおわらせるとは?

突然ですが、初期研修は最低何年やらないといけないか知っていますか?
バカにするな、2年に決まってるだろ、と大抵の人は答えると思います。けれどこれは本当ではありません。正解は1年8ヵ月です。

根拠は厚生労働省のページに記載されている90日ルールです。
90日ルールとは、簡単に言うと「90日以内なら研修中に休んでも、初期研修を2年で終えることができる」というものです。

「なお、休止日数が臨床研修における休止期間の上限である90日を超える場合には、90日を超えた休止日数分以上の日数の研修を行うこと」とあります。
つまり欠席日数が90日を超えると、留年して初期研修医3年目に突入するという感じですね。

ポイントはこの90日に、病院が元々休みの土日祝はカウントしないということです。
有給休暇、夏休みなどの「全員が取れる休み」もカウントされませんが、育休・産休・病欠などはカウントされます。(土曜も勤務の病院だと土曜はカウントされてしまいます。)

なので90日=3ヵ月ではなく、4ヵ月ちょっとは休めるのです。

土日祝休みの場合、例えば4月1日から休んだ場合は8月13日まで休める計算になります。
日祝のみ休みの場合は7月19日までです。結構休めますね。

一番賢いのはまとめて休まず、病院が認めてくれるなら一定の時期だけ週4勤務にするなど薄く伸ばすことだと思います。
週4で出勤する期間を設けるとすると単純計算で90週ですので、4月1日からなら12月22日まで週4出勤で乗り切れます。こうなるとだいぶ疲労度が違いますよね。嫌いなハイパー科を週4の時期に固めてしまい、ゆるいハイポ科だけ週5で行くことにすれば天国です。

ただし、もちろんそんな勤務体制を認めてもらうには理由が要りますよね。
出産や育児、家庭の事情などで休む人は別として、ただ研修がつらい、やりたくないが高じて休む場合は病気による休職という扱いになるので、診断書が必要です。
医者やりたくない病の診断書を貰うためには心療内科に通わなくてはなりません。具体的にどんな風になるのか、そこは後で少し私の話を交えて書こうと思います。

私が診断書を貰うまでの経緯

そもそも医師になどなりたくなかった

何故医者になりたくないのに医学部に入ったのか?
一定数いるこの層ですが、その答えは人によって様々だと思います。
私の場合は
①実家から逃げる方法がそれしかなかったから
②人生を捧げてきた夢に破れたから
でした。

実家から逃げる方法がそれしかなかったから

詳細は省きますが、私はお世辞にも良いとは言えない家庭環境で育ち、高卒ヒキニート19歳(なんでそんなことになったかは後述)だった頃に、

「お金も仕事もないけど家を出てこれからはホームレスとして生きていく」

という今思うと世間知らずすぎてありえない決断をしたくらい、実家が嫌いでした。
もちろん呆気なく阻止されましたが、その時に親が言った言葉が

「医学部に行くなら、一人暮らしの費用を出してあげる」だったのです。

とにかく家を出られるなら何でもよかった私は、家から飛行機の距離の医学部を狙い10ヵ月間猛勉強をして、見事一人暮らしを勝ち取ったのでした。

人生を捧げてきた夢に破れたから

趣旨にあまり関係ないのですが、私は10代の頃まで演奏家を目指していて、人生のほぼ全ての時間を練習に捧げてきました。
お陰で青春の思い出など皆無だし、当時流行っていた娯楽など何一つ知りません。

それが病気をしたことで練習が全くできなくなり、失意のうちに高校を卒業してしまい引きこもりニートになる…といった人生終わりコースを着々と歩んでいたのです。
なので「医学部に行く」という私の将来設計に全くなかった道を示されても、「今のままよりはマシだろうし、まあいっか」と議論する気力も湧かなかったわけです。

 

この記事を書いたのは

レイラ

ハイポの極みゆるふわ研修医。初期臨床研修医中断に関しての記事を書いている。文章からはゆるふわに研修を修了するためは努力を惜しまないという気概すら感じさせる。

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