今まで公開したエッセイ:
臨床研修中断までの道――職場に休みたいと言ってみた(エッセイその2)
休職してから――初期臨床研修中断、そして再開に向けての準備(エッセイその3)
初期臨床研修中断から再開までーー医師免許を持ったニートの生活(エッセイその4)
(エッセイその6)病院見学と面談──いよいよ臨床研修再開できるか!?
病院を紹介してもらう
4月から臨床研修を再開できそうだった病院に、3月に入ってから入職を断られ、さらには臨床研修を中断したことを実家に隠し続けていたがついにばれてしまった私(詳しくはこちらの記事)。
絶体絶命のピンチ──!!臨床研修再開病院探しを急がざるを得ない私に、伯父がある病院を紹介してくれた。
その病院は神奈川県にある病院で、臨床研修再開を断られてしまった病院よりも規模の大きなところだった。
ということで、3月末に病院見学に行くことになった。
病院見学の感想
病院見学をしてみて受けた印象は以下のようなものだった。臨床研修再開受け入れを結局断られてしまった病院(A病院とする)との比較とともに載せる。
良いと思った点
・病院がきれい(A病院は古く、全体的に暗い印象だった)
・職員同士の雰囲気は良さそう(A病院よりもハキハキした人が多いイメージだった)
・給料は臨床研修中断前の大学病院より10万くらい高い(A病院よりは5万くらい安い)
・神奈川県とはいえ都心へのアクセスも悪くない(A病院は都心へのアクセスはあまり良くなかった)
ひっかかった点
・内科等は忙しすぎることはなさそうだけど救急当直が忙しそうだし、臨床研修中断前に働いていた大学病院では1年次は救急当直ではなく病棟当直であったので慣れておらず不安だった。救急科は既にローテしていたが1年次の4~6月、何が何だかわからないうちに大したこともせず終わってしまっていたのでさらに不安だった。(A病院は全体的にゆるく、当直は無しにもできるとかできないとかいう話を小耳に挟んでいた)
良くも悪くもあると思った点
・面倒見がよい:
放置されて患者さんに何かあったときに手遅れになってしまうよりは、ちゃんと教えてもらえた方が嬉しいし学びがあって楽しいと思うが、気にかけてくれすぎたり体育会系でガツガツしている先生が苦手なのだ。ある程度の距離感を保ちたい。怒られることも極端に怖いし、これでまた人間関係について疲弊するのは嫌だと思った。
(A病院は良くも悪くも放置気味な印象を受けた)
・研修医が皆いい人そうで優秀そう:
共に働く研修医がいい人そうなのは嬉しいが、周りが優秀だと半年のブランクがある私が浮いてしまいそうだ。仮にも2年目なのに陰で1年生に「あいつヤバレジすぎ笑 そりゃ、あんなんじゃ臨床研修中断するよな」なんて言われてしまうのではないか…。しかもマッチングで近年倍率が高く人気の病院のようで、いわゆる”コネクション”で入った私と彼らではかなりの差があるのではないかと思われた。
(A病院は根本的に優秀だけど臨床研修にそれを活かすかはまた別、なるべくゆるく臨床研修を終わらせたい研修医が多いような印象だった)
面談、そして結果
そしてその病院でも、見学の後に病院長やプログラム責任者の先生2人(うち1人は伯父の知り合い)、と面談することになった。
面談では臨床研修を中断した経緯や今後はやっていけそうか聞かれ、無難に答えて乗り切り帰宅。あとは病院からの連絡を待つのみとなった。
伯父は「この病院なら受け入れてくれるから大丈夫」と言ってくれていたが、前回のこと(臨床研修再開受け入れを病院に断られてしまったこと)を思い出してあまり期待はせずに待っていた。
3週間が過ぎたある日、4月の半ば頃に事務の方から連絡がきた。
「先生(私)の受け入れに許可が下りました」
おっ!?
…おっ!!!
今度こそ許可が下りた!
臨床研修を再開できるんだ!
伯父に大感謝!!!
正直他の病院もまだ見てみたいという思いはあったが、散々他の病院に臨床研修再開を断られてしまって心折れていたしある程度譲歩しよう…とその病院に決めることにした。
臨床研修再開は5月からになった。5月からというのは少し中途半端だが仕方ない。
3月に入ってから臨床研修再開受け入れのドタキャンをされてしまっては、そうすぐに他の臨床研修再開病院の候補も探せないし手続きもできないのだから。
寧ろ5月から臨床研修を再開させてくれるなんて迅速な対応をしてもらえて有難かった。
それからすぐに入職書類や引っ越し等の準備を始めた。
この記事を書いたのは
医師、112回不合格、113回合格。医療エンタメトップライター、編集もこなしエンジニアとしても活躍。国試合格後、喜び勇んで初期臨床研修を始めるも半年で研修中断。そんな中折れ研修医がこれからどう生きていくのか臨場感をもってお届けする。臨床研修医を中断するにはどうすればよいのか、そして再開するにはどうすればよいのかを伝える。