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医師国家試験の必修対策のポイントは? 点数配分の傾向もチェック

目次

医師国家試験は、医学部に進学した大学生にとって将来医師として活躍するために避けては通れない関門です。受験生の約1割が不合格となる過酷な試験であり、この難関を突破するためには、必修対策が欠かせません。この記事では必修問題に焦点をあてながら、点数配分の傾向を含め、対策を行ううえでのポイントを解説します。

医師国家試験はA~Fの6ブロックで構成される

医師国家試験は2日間にわたって13時間40分という長丁場で行われ、これをクリアしなければ医師免許は手に入りません。全部で400問出題される国家試験は、A~Fという6つのブロックから構成され、1日目はA~Cブロック、2日目はD~Fブロックの試験が行われます。AブロックとDブロックは各疾患についての知識が問われる「各論」BブロックとEブロックは研修医に最低限必要な基本的診療能力が問われる「必修」CブロックとFブロックは医療や医学に関する総合的な知識が問われる「総論」です。

医師国家試験の必修の特徴

医師国家試験の必修では、研修医として医療現場に出るために身につけておかなければならない知識が問われます。試験対策をする際は、必修問題の出題範囲や合格基準について理解しておきましょう。

必修は一般50問・臨床50問の計100問出題

必修問題には一般問題と臨床問題があり、各50問ずつ合計100問出題されます。試験はマークシート方式で、5肢1択形式での出題がほとんどです。

一般問題は、「〇〇制度について正しいのはどれか」や「〇〇症状に関して誤っている選択肢はどれか」など、特定の題目についての知識が問われるものです。
また、臨床問題では、年齢や性別、各種症状や様態など具体的な症例が示され、適切な処置方法や疾患を判断する問題が出題されます。

「各論」「必修」「総論」のそれぞれに、このような一般問題と臨床問題が出題され、制限時間内に回答しなければなりません。

実際の問題の詳細は以下のリンクから確認することができます。

第116回 医師国家試験 問題

幅広い分野から出題される

必修は幅広い分野から出題され、基礎医学、臨床医学、社会医学など、大学生活の6年間で学ぶことになっているすべての医学関連科目が出題範囲として設定されています。患者と会話して診療に必要な話を聞き出す「医療面接」や診療を行うための「医学英語」といった、受験生にとってあまりなじみのないテーマからの出題もあるので要注意です。

なお、今年度の117回医師国家試験までが対象となる出題の基準は「平成30年版 医師国家試験出題基準」に詳しく書かれています。そのため、今年度の試験を受ける予定の方は参照するとよいでしょう。

参照先:厚生労働省「医師国家試験出題基準」

必修の合格基準は80%

医師国家試験を受験するならば、合格基準についてあらかじめ頭に入れておくべきです。必修の合格基準は、難易度にかかわらず80%であり、それを下回ると他が満点でも必ず不合格になってしまいます。必修の点数配分は一般問題が1問1点、臨床問題は1問3点であり、必修における合格ボーダーの8割というのは、受験した年の問題の難易度などに左右されない絶対基準です。

また、医師国家試験には「禁忌肢」という、もうひとつの絶対基準が設けられています。禁忌肢は医師としての適性に欠ける者をはじくためにつくられ、患者を死なせたり、臓器の機能が廃絶して二度と戻らない状態につながったり、医師として倫理的に許されなかったりする事項を含む選択肢のことです。禁忌肢の個数は受験する年によって違いますが、禁忌肢を四つ選んだ時点でそれら以外が全問正解だったとしても不合格になります。

詳しくは「禁忌肢」の記事をご覧ください。

https://medie.site/3892

医師国家試験の必修対策のポイント

医師国家試験に合格するには、必修で80%以上正答できるようにならなければ話になりません。そのため、前もって必修の対策をすることが重要です。以下では、合格に欠かせない必修対策のポイントを3つにしぼってまとめています。

過去問から出題傾向をとらえる

まず大事なのは、過去にどのような問題が出題されているのか、医師国家試験の出題傾向を把握することです。実際に過去問を解いてみて、どのような問題が出ているのかを肌で感じてみてください。

なお、近年の医師国家試験における過去問で分野ごとの出題率を調べると、公衆衛生、循環器、小児科、呼吸器、神経、消化器(消化管,肝胆膵)、医学総論、代謝・内分泌などの出題率が他の分野よりも高いという傾向がみられます。頻出分野は他の分野よりも手厚い対策が必要となるので、時間をかけて重点的に取り組めるよう、計画的に学習を行いましょう。

6年生の春から繰り返し学習する

必修対策は6年生の秋以降に行うことが多いですが、早く始めるに越したことはありません。医学生の多くは5年生のうちに試験勉強を開始しています。6年生の春ごろには、国家試験対策を始めておくといいでしょう。合格したいのであれば、しっかりと計画を立てて必修に特化した対策を行う期間を確保することが重要です。

たとえば「クエスチョン・バンク(QB)」の必修問題集など、必修に特化したテキストを用いて繰り返し学習することが、効果的な対策になります。テキストは年内に1回学習を完了させ、試験直前に再度すみずみまで確認するとよいでしょう。

マイナー分野もおさえる

何が何でも8割以上の点数を取らなければならない必修は、マイナーな分野についてもおさえておくことが大切です。マイナーな分野としては、整形外科、精神科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、眼科、皮膚科、放射線科があげられ、これら7科目を「マイナー科目」と呼ぶこともあります。

マイナーな分野といえども7科目すべてを足し合わせた出題率は、全体の2割弱となるので決してあなどることはできません。マイナー対策を怠った場合には、医師免許を勝ち取ることはできないでしょう。

MediE医師講師 凛子 先生のワンポイントアドバイス

ひたすらに「クエスチョン・バンク(QB)」をやりましょう。1回だけではなく、何回も繰り返しやることが大切です。また器具の説明など、実物を見ていないと分からない問題も多数あるので、臨床実習(ポリクリ)のうちから、国試も見据え確実に身につけておくことをおすすめします。
さらに必修問題に対して、“正答率が80%を切ってはいけない”と切迫して考えすぎず、“80%取れればいいんだ”という心構えで、リラックスして試験に臨みましょう。

まとめ

医師国家試験の必修問題は得点率が8割に届かなければ、即不合格になるという大変厳しいボーダーラインがあります。このボーダーラインを超えるための手助けがほしい場合には、医学生向けの個別指導塾を活用するとよいでしょう。

MediEオンラインは、インターネットを通じて医学生を専門に個別指導を行っているオンライン特化型個別指導塾です。MediEオンラインで使用する教材は、受講生が自由に選択可能で、何か疑問点があれば何度でも制限なく質問ができます。国家試験対策で悩みを抱えている方は、いつでも気軽にお問い合わせください。

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