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「面接の場での何か質問はありますか?」に対する答え持っていますか?

本記事の監修者

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水木 泰祐 (Dr.みずき)

東邦大学医学部卒。浪人・留年・国試浪人を経て、医学教育の革新に挑む。
「4浪4留2国浪」という異色の経歴を持ち、医学部入学から医師国家試験合格までに数多くの困難を経験。その過程で得た知見と反省を活かし、同じように悩む医学生を支援するため、医師国家試験個別指導塾「MediE(メディエ)」を設立。「教えない、導く。」をモットーに、コーチング・メンタリング・コンサルティングを融合させた独自の指導法を展開している。
MediEでは、個別最適化された学習支援を通じて、留年・放校・国試不合格のリスクを抱える医学生の自学自習力を育成。また、YouTubeチャンネルやSNSを活用し、医学教育の在り方そのものに変革をもたらす活動も積極的に行っている。

目次

こちらの記事「初期研修医 病院マッチング 面接 質問回答集55選」を多くの方が読んでくださっているということを受けまして、この記事を作成いたしました。こちらのも一緒にご覧ください。

今回は面接の最後にありがちな「何か質問はありますか? 」に対してはどんなことを聞けば良いでしょうか?

一般企業と違って病院への就活試験であるマッチングでは、質問の性質も世間一般と比べるとかなり異質なものになるかと思います。

しかし、共通して言えることは「来年から一緒に働くに値する人物かどうか」というところを見られているということです。

調べたり見学に行けばわかるようなことを聞いてしまっては評価が下がってしまうと考えている人もいるかと思います。

しかし、そこは聞き方によって印象が大分違いますので、「あなた」に「直接」聞きたいんですというような聞き方であったり、それらを大前提として話を膨らませるようにできればいいと思います。

面接だけでなくて病院説明会や見学の際にも使えると思いますのでどうぞ最後までご覧ください。

一番やりやすい質問としては

つまり、「見学に行った際にお聞きした情報では◯◯とお聞きしましたが、(面接官の方は)その点に関してどうお考えですか?」というように「あなた」にフォーカスを当て

「(面接官の方は)病院の◯◯というビジョンに対してどういうお考えですか?」

「この土地での思い出はありますか?」

「病院の中で好きな場所はどこですか?」

など、聞いてみても良いかと思います。こう言った質問の場合は自分の意見を持っている上での質問の方が良いかと思いますので、病院説明会や見学で見聞きしたことに対してきちんと自分の言葉で考えてから質問するようにしましょう。そうでないとさらに逆質問が来た時に色々と見抜かれてしまいます。

他にも、その病院で実際に働いてみないとわからないことを質問するのも良いでしょう。

例えば

「この病院で一番美味しい食堂のご飯はなんですか?」

と言ってマッチを勝ち取った人もいます。

その病院に興味を持って好意的に受け止めているということが伝わる聞き方ならいいと思います。

もう少し深掘りして

「この病院に勤務していてよかったと思うことを教えてください」

「この病院ならではのエピソードってありますか?」

など、面接官として聞いているというよりは「一人の人間として」質問しているというような質問をすると良い回答が得られるかと思います。

好ましくない質問

権利について

もちろん権利というものは大切な部分ではあるのですが、全部そうというわけではないということは置いといて、とりわけ医師は労働者としての権利を無視される傾向にあります。つまり、病院医勤務している医師は権利など主張できない環境にいる可能性があります。
しかしながら、研修医という身分は守られる(本来であればこの方が当然なのですが)ことが往々にしてあります。

面接官(の医師)からしたら「この学生はまだ何も成果を出していないのに権利を主張しにきている」と捉えられかねません。

そんなことはあってはならないはずなのですが、悲しいかなこれが医師の世界だったりします。

福利厚生や有休の消化、当直後は帰れるのか、などということを面接の場所で聞くのは控え、そういったことは見学の際に研修医に聞いておくことをお勧めします。

経営面について

面接官の医師に対して病院の経営面に関する質問を聞くのは少し難しいかもしれません。

つまり、「この病院は赤字で有名ですが(面接官の方は)どうお考えですか?」「設備が◯◯ということですが、この点について(面接官の方は)どうお考えですか?」などという質問をしてしまったら、単純に困らせるだけかとお思います。研修医の本分からは外れた質問になり得ます。

こういったことは経営陣の決定によって決まることであり、面接官の医師の一存で決められることではありません。面接官の方と向き合った質問ではなくなり、話のベクトルが同じ方向を向いた話になってしまいますので今回の意図とはズレてしまうかもしれませんので避けた方が良いでしょう。

よくある逆質問

私が会社経営をしていてよく聞かれる質問は、「なぜこの会社を設立した/事業を始めたのですか?」です。

これをマッチング面接の場に置き換えると「(面接官は)なぜこの病院で勤務しているのですか?」ということになります。このままだと意味不明な感じになりますが、少し変換して「(面接官は)この病院に勤務したいと思った決め手はなんですか?」になるでしょうか。面接官を行なっている方々はどこかから出向してきているというよりは、その病院に直接の雇用関係にある方でしょう。

特に医師で上の立場にいる人は自分語りが大好きな人が多く、その理由に共感することは面接官も求めているでしょう。

ということで、自分なりの何かを用意しておくと良いでしょう。

試される面接官

ちょっと小ネタですが、私自身が会社経営をしていて採用の場でされてよかった質問は「私は御社で活躍できますか?」です。こういった逆質問をできるような方はそもそもデキる方ということもあって、ついうっかりこの方が入社した時にどんな仕事を任せようか語ってしまいました。この質問だけで形勢逆転とはいかないかもしれませんが、何はともあれ、上司になり得る面接官からどんなことを任せてもらえるのか聞き出せれば、聞いた本人からしても自分が働き出してからのイメージも湧いて良いでしょう。

とはいえ、初期研修の段階で自分が活躍してやろうと考えている人はあまり多くはないかと思いますし、言われた側も初期研修をしにきているのに何を言い出すんだと怪訝に思われる可能性すらあるかもしれません。

これをマッチング用に言うなれば、医師として勉強することは第一で社会人としても学ぶことをきちんと学ぶ上でという但し書きをつけておいた方が無難でしょう。しかし、一つだけ例外があります。初期研修だけでなく後期研修やその後も同じ病院での勤務を考えているのであればこういった何十年先まで考えられるような質問をしても良いかと思います。

逆質問しなくていいとき

それは、落としてほしいと思ったときです。

圧迫面接であった、面接官の態度が悪かったなど色々理由はあるかと思いますが、この病院に入職したくはないなと思ったときはこう言った方がいいでしょう。これは暗に落としてくださいとイコールですし、病院側も落としやすくなります。

結局一番無難なのは

とはいえ困った時は無難に「一生懸命働きますのでよろしくお願いします!」と元気よく言っておけば面接官の印象に残らず何とかなります。

まとめ

ちょっと細かい内容になったかと思いますが、何も面接の場だけでなく病院説明や見学の際にも使えることかと思いますので使ってみてください。

初期研修医 病院マッチング 面接 質問回答集55選」も参考にしてみてくださいね。

 

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